国民性を誇る

雑記

今年は1月1日から能登で大地震があって、波乱の年明けになってしまった。

大晦日、紅白でも見て、元旦の朝、初もうでに行って、新春を祝う。でも、その夜には大切な人が、家が、無くなってしまって・・・なんて、どれほどのショックだろう。

本当に心が痛い。

それでも、何日か振りかの炊き出しに、「温かいお米が食べれて、有難い。感謝です」と涙ながらにおにぎりを頬張るおじいさんの姿がテレビ映って、泣きそうになった。

なんて美しい日本の心。

心も体もヨレヨレの中、略奪どころか、炊き出しに順番に並んで、「ありがとう、ありがとう」と器を手にする人達。

給水車から水をもらって、辛い中、ホッと笑顔をみせて、自衛隊の人に「ありがとう」と言える心根。

こういう姿を見ると、民度の高さが誇らしくなる。この国に生まれてよかったと心から思う。

何年か前のすごい台風にあった時もそうだった。

午後からの台風直撃に職場から一歩も出れなくて、ようやく動き出した地下鉄で、少し遠い駅からの帰り道。幹線道路には色んなものが散乱していて、暴風の威力を感じながら、1本住宅地よりの道を選んで歩いていた。徒歩で30分くらいの道すがら・・・扉のガラスは割れて、シャッタ―もめくれあがっていて、テープで補強してある家もあった。倒れた柵が立てかけてあったりと、

めったに台風の直撃を受けなかった大阪だったが、この時ばかりはけっこうな被害が出ていたようだった。

でも、道はすでに清掃車が通ったのかと思ったくらい片付いていて、各家の前にはがれきが入ったごみ袋がいくつもあった。

自宅前も同じ感じだった。

在宅だった主人と息子に聞いたところ、本当にすごい暴風で、近くの門扉が倒れて、瓦も飛んでいたらしい。近所の公園はジュラシックパークかと思うくらい、地面が見えないほど木々と葉っぱが散乱していたらしい。

しかし、数時間して風が収まった頃、自然発生的に各家から住人出てきて、ほうきをもって掃除し始めたらしい。自分の家の前だけでなく、前の道、向いの道と飛来したモノをごみ袋に拾い入れ始めたのだそうだ。普段は何もしないウチの住人もつられて、掃除を始めたのだそう。

だから、住宅前の道はどこもキレイになっていて、車がビュンビュン通る大きな道だけが散らかりまくっていたのだ。

あの時の片付いた道が忘れられない。「なんて素晴らしい国民性なんだろう」と心から思った。

災害はいつ、どこで起こるかはわからない。被災地に行ってお役にたつことはできないけれど、せめて近くの人達には何かしら役に立つことをやっていこうと、しみじみ思う。被災地の方々に早く心穏やかな日が訪れますように・・・なんて、こんな言葉はむなしいだけかもしれないけれど、ただただ、お祈りしています。

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