統一教会のこと

雑記

今、再び世間を騒がしている「統一教会」。その名前を久々に聞いた。

この教会のことはその昔、世間で騒がれるずっと前から知っている。

実家の2軒先が統一教会の建物だったから。

この建物、私が小学校低学年の頃は建設会社の事務所兼社宅だった。

それがいつの間にか教会に変わっていた。

最初は普通の教会ぽくて、クリスチャンだった友人に誘われて日曜学校だったりバザーだったりに行っていて、賛美歌歌ったりしてそれなりに楽しかった気がする。

それがあるときから変な団体になっていった・・・

いつものバザーに行くと、広間に「祈りによる政治を!」と墨字で書かれた幕が貼ってあって、小学生の私でも「なんか変!」と感じてそれ以来行くことは無かった。

益々ヤバくなっていったのは多分1980年を過ぎた頃じゃなかったかな。

「娘が返ってこない」とご両親がビルの前でずっと待っていたり、ビルに向かって荒い声を浴びせる人がいたり、公安警察?の聞き込みが来たり、近所は騒がしかった。

斜め向かいの家のお嫁さんが教会にハマって、印鑑だのツボだのを買いあさっていると姑さんが嘆いていたらしい。その嫁さん、ウチにも印鑑を売りに来たらしかった。近所だったので教会員が得体のしれない飲み物を売りに来たこともあった。

芸能人が入信してしまった、と騒がれたのはそのころだったんじゃないかな。

住み込んでいる人が沢山いて、朝早くマイクロバスで出ていって、夕方帰ってくる、という感じだった。

教会に出入りする人には特徴があって、若い男女が多いのだが、服は大体、白か薄いほとんど色の無いカジュアルな格好をして、顔はすっぴんで、よく言えば幸せそうな、悪く言えば呆けた顔をしていて、標準語を話している。

大阪の下町では、かなり異質な人達だった。

当時実家では祖母や母はもっと色んなことを見てたんじゃないかな。けっこう警戒してたから。

私が就職して、1年目にちょっとした衝撃が走った。職場の一つ上の先輩が教会から出てくるのを見てしまったのだ。

ずっと黙っていたのだが、ほどなく、職場で布教しだしたらしく、セミナーに誘われたという人が出てきて、職場でも大問題になった。

確かに少し辛い職場だった。当時の部署には女性が多くて、お局さまとそのお付き、女中頭が沢山いて、純粋培養で育ったお嬢さんには辛すぎる人間関係があった。

斜めに構えた私は「アタマの悪いオバさんばっかだ。なんだココは!」と毎日同期と愚痴って憂さ晴らししていたのだけれど。

だから、宗教に救いを求めたのかもな・・・とその時は思った。

先輩に2人、同期に1人いて、さらにびっくり。

後で聞いた話では、先輩と同期の入信ルートは違っていて、同期はすごく素敵な人から誘われたと言ってた。そのころ、道端で「アンケート調査」と称して勧誘してる姿をよく見た気がする。

同期曰く、「誘ってくれた女性はとにかくすごく素敵で憧れてる」そして「世界はいつかひとつになるの」と言った。

口の悪い同期が「それはいつや!?」と詰め寄ると、まっすぐ前を見て「いつか、きっと・・・」と言っていた。

ほどなくして職場の3人は退職した。教会の仕事に専念するために。

そのころには家を出て、教会に住んでるといった。そう、私の実家の2軒先に。

聞いた話しだと、教会の外で働いていると、そのお給料はすべて献金してしまうから、生活できないのだそうだ。なので教会内で働くことにすれば、最低限の生活費は保証されるらしい。その仕事はきっと霊感商法だったんじゃないかな。

同期は合同結婚式の末、東北地方に住んでいると風のうわさで聞いた。

なんで、そんなもんにハマるのか、洗脳って恐ろしい。

うわさでは、3日3晩寝ずに広報ビデオやら、教義ビデオを見せられるらしい。さすがに3日目になると、精神が崩壊しそうになり、あっさり洗脳されるらしい。

怖い。怖すぎる。

悩んでいる心の隙間に入って洗脳して、お金を巻き上げる、よくある話しかもしれないが、なんで、そんなことが出来るのか。地獄に落ちるのは自分達だということがわからないのかな。どんな声も届かないんだろう。あの時、ビルの前で泣きながら娘の名前を呼んでいたご両親の気持ちですら届かなかったのだから。

ずっと忘れていたのに、あの大事件でまた世間が騒ぎ出したから、思い出してしまった。あの時辞めた人達はどうしているんだろう。まだ活動しているのだろうか。

不幸の連鎖が起きませんように・・・

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