サンクコストの呪縛

雑記

私は今年で勤続36年になる。

そう言うと「すごいキャリアですね」、「きっとすごい仕事なんでしょうね」という反応をされる。

バリキャリでもない一般職で、たいして面白くもない地味な仕事を続けている。

当然、役職なんかない。女性管理職だの、女性もっとキャリアアップを!なんて世間は騒いでいるけど、我々一般職には無縁の騒動なのだ。

産休育休を2回も取れたというのは、確かに恵まれた職場だったのかもしれない。

なんで、続けてるんだろう・・・

理由その1 経済力は欲しかった。

― 父の扶養家族で、発言力の弱かった母のようにはなりたくなかった。家庭環境で進学にちょっとしたコンプレックスを持っていて、子どもにそんな思いを微塵もさせたくなかったし。

理由その2 社会的な信用が欲しかった。

― 自分で稼いで、バカ高い税金を払っているので、それなりに住宅ローンも組めたし、クレジットカードの審査などスイスイ。

理由その3 それなりに職場に居場所があった

― 事務仕事は経験がモノをいうところもあったので、重宝がられることも多くなっていった。少しは役に立ってるんじゃないかと思って今に至る。誰でもデキル仕事だったとしても。

 

ここにきて、定年を4年後に控えて、会社脱出のタイミングを計るようになった。

あと少し小銭をため続けるか、潔く早々に脱出して自前で生きるか。

「昭和の忖度が色濃く残るクソ組織だ」とか、「時代に乗り遅れたジジイ達がかっ歩する滅びゆく組織だ」とか思いながら、いつでも辞めてやる!と思い続けてきたけれど、いざ辞めるとなると、この大きな組織に依存しまくってたことに気付く。

枠の中にいたから、グチれたし、たいした仕事じゃないのに、毎月決まったお給料がもらえる有難さ。

この枠がなくなる恐怖感。私だけだろうか。

退職していく人はどんな心持ちで辞めることが出来たんだろう。

アートセラピストとして活動していきたい。そんな未来を思い描きながらも、脱出できない自分がいる。残された時間がたっぷりあるわけではない年齢。

「オレなら金より時間をとる。秒で辞める」と「お金持ちになりたい」が口癖の息子が言う。

ああ、難しい。。。二人の息子を育てながら仕事を続けていくのが、どれほど大変だったか。どれほどの覚悟がいったか。いつもながら損切りができない私。ここまでやってきたのだから、今辞めたら損やん!なんて、まさにサンクコストの呪縛。

まずは、セルフセラピー。この呪縛から解放されて、自分のタイミングで飛び出すことができますように。

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